テキストサイズ

未成熟の誘惑

第3章 caseあき

帰りのタクシーのなか



私は長いこと眠っていた



どうして秋は千回訪れるのに、春夏冬は無視されるのだろうか



ネオンの照らし出す東京



ラジオは近場で起きた少女誘拐事件を告げていた



誘拐か



私も一度くらいしてみたいな



「なに言ってるんですか、ちあきさん」



「ナンデモナい」



マネージャーはたまに、私の独り言を聞いている



迷惑なんだよ



独り言は独り言として流せよ



「マネージャーしね」



マネージャーはシカトする



拾えない独り言はしっかりシカトだ



よくできたいいこ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ