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未成熟の誘惑

第8章 case6

暗転



女性の怒声が響き渡る



「なに?」



「なに?」



「なに美化してんだよ、人間のクズのくせによおお!」



現れたのは、招かれざる客



平和な楽園をアンインストールする不確定要素だった



明点



xの身体は見えない



二人は指を鳴らした



たったそれだけで良かった



錬金術は使えなくても、もう力などいらなかったのだ



野に晒すあの漂白の無力があればいい



xに飛んでいく、世界一小さな輝き



「私にも、辛さを乗り越える一本が欲しかったのに」



「残念ながら僕には一本がない。反則負けしか出来ないクズなんだ」



xは



xは



xは



笑った



99点の笑顔だ



何故減点されたのかと誰かが問えば、それは人間が時間を作ってしまったが為と答えるしかなかった



答えるものもまた、その解答が正しいとは、全く思ってはいない

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