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未成熟の誘惑

第8章 case6

観客が嫌いだった



観客が嫌いだった



純粋にプレーするのに人の目が邪魔だった



支える心は閉まっていて欲しかった



よくテレビで、原っぱでサッカーしているのを見ると、百点の笑顔だった



見られたくてサッカーをしているだなんて、イチミリも考えたくなかったし、そんな思考回路なんかいらなかった



だからクローンを作った



鏡でドームを囲う



自分を見るのは自分でいい



隠さない悪意ある視線に、死線をプレゼントすることを、クローンは一切ためらわない

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