テキストサイズ

嘘でもいいから

第2章 君が大切だから

私は逃げるように部屋を飛び出した。


玄関を出るとき
この間忘れていった私の傘が
立て掛けてあるのが見える…


隼人が買ってくれたピンクの傘。


その日、デートの待ち合わせ場所に
着いたところで急に雨が降り出して…

そこは屋根があったから
問題無かったんだけど。

持っている折りたたみ傘は
2人で使うには小さいし…
どうしようかな、と私は考えていた。

そこに隼人が
少し遅れてやって来た。


「え…」


ピンク色の、リボンが付いた傘を
ムスッとした顔で差す隼人…


「せっかくだから優花にあげられる傘に
しようと思って選んだけど…
店からここまでスゲえ目立つし…!!

どうせ今日一日俺が差すんだから…
マジで失敗した。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ