テキストサイズ

嘘でもいいから

第10章 あの、小さな手〜想side〜

俺は母さんにずっと心が開けなかった。


大好きだった父さん。
めちゃくちゃ可愛がってた優花。
想い出いっぱいのあの街…


それを母さんのせいで
捨てることになったからだ。


両親が離婚した時、俺は10歳…


大人が俺に
全てを報告してくれる歳でもない。
かといって何もわからない歳でも無い。


俺は聞いてしまったんだ。

父さんと母さんが夜中に言い争う声を。
俺が本当は父さんの子供じゃ
ないっていう話を…


俺が聞いてしまった時点で
2人はもう何度も話し合いを重ねた
後らしかった。


騙していた訳じゃないと何度も何度も
謝る母さんを、父さんはいつも
罵倒していた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ