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嘘でもいいから

第11章 想いの迷宮~想side~

でもー…

優花のアルバムの中には
その写真は無かった。

ということはー…

俺は、ずっと大切にしてきた
家族4人の最後の想い出が
父さんにとってはそうじゃなく…
俺の姿だけ
その想い出の中から消されている…
その事実に打ちのめされていた。


やばい…なんだか泣きそうだ…


その時、優花が話題を変えた。


「想さん、すごく詳しいですね?ここ…
優花さんとよく来られたんですか?」


一度来てみたかったとお前が言ったから
俺は必死で調べただけだ…
お前と来るのは本当は2回目なんだよ、
優花。

だけどそのことを打ち明けられる日は
やっぱりもう永久に来ない気がする。
だって、父さんは俺の存在を
消したいんだから…

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