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嘘でもいいから

第11章 想いの迷宮~想side~

多分…俺に初めてする父さんの話…

もしかしたら
俺が知りたかった離婚後の父さんと
優花の話を聞けるかもしれない…

声も出せず、
ただ頷くことしか出来ない俺に
優花はゆっくりと語り始めた。


この場所に家族〝3人で〟来たことを
優花はずっと知らなくて…
小学生の時に
アルバムの中にある写真に気付き
父さんを問い詰めたこと…

その後、父さんが渋々語ったのは
母さんが撮った写真だということと
その直後に母さんが〝1人で〟
姿を消してしまったこと…

そして、その写真の中に
父さんのアイスクリームを
食べさせてもらっているものが
あったからさっきあんなことを
言ったんだと説明する優花…


あぁ、知ってるよ…
その写真なら俺も持っている。

でもそのアイスクリームは
本当は父さんのじゃなくて俺のなんだ。
その前後には、俺と優花で写っている
写真もあったはずなんだ。

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