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嘘でもいいから

第11章 想いの迷宮~想side~

そうなんだ。
父さんが俺をどう思ってても…
俺は父さんが大好きだった。
面白くて優しい父さん…


「はははっ…
本当に面白いね、お父さん。
優花ちゃんが優しくて明るい子に
育ったのはお父さんのおかげだね?
…それにしても…幻想的だね。」


父さん…俺は父さんに会いたいよ。
俺にとってはあんたが…
あんただけが本当の父さんだったのに…

俺は逃げるように話題を変えていた。


「あ、そう言えば…
カメラ持って来られなかったんですね。
趣味なんですよね?」


俺は、カメラマン時代に母さんが
使っていたカメラをいつも使っていた。
ただの趣味だけど。


「うん、まぁ…
結構古くて重いカメラだから…
それにこれも結構使えるよ?」


俺はたいして撮りたくもないのに
スマホで写真を撮ってみせる。

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