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嘘でもいいから

第14章 重大な間違い~想side~

弾かれたように立ち上がる優花。

まるで時間を忘れていたかの
ような表情だ…

俺との約束を忘れていたのか?

…いや、優花が忘れる訳が無い。
何をいらだっているんだ。


俺に気付き、慌てて店から出よう
とする優花の腕が強く引っぱられる
のが硝子越しに見える。


優花に…触るな…っ


俺はコンコンコン…
とまた窓を鳴らした。


自分でもこの大きな怒りの感情の
出処がよくわからない。
いや、嫉妬心であることに
間違いはないけど…


やっぱりあいつに渡すなんて出来ない。


結局、俺はその日…
寂しがる優花を説得し別々に帰った。
そして週末まで迎えに来ないと告げた。

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