テキストサイズ

嘘でもいいから

第15章 嘘でもいいから

誕生日当日-

私は、約束の時間よりも30分早く
あの飾り時計の下へ向かっていた。

一年前とは逆に
私が想さんのことを迎えたい…
そんな想いで
初めから決めていたことだ。

あぁ…見えてきた…

バックにはお城みたいなホテル。
その前には朝日に輝く懐かしいあの…


「…想さん……」


懐かしい飾り時計の下には
一年前と同じ服装の
想さんが立っていた。


「優花ちゃん…久しぶりだね。
あはは…なんて顔してるの?」


そんな…だって…


「今年は先に来て
待っていようと思ったんでしょ?
優花ちゃんの考えそうなことなら
分かるよ。
でも…だったら2時間前には
来てないと無理だったな」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ