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星も、パンも

第14章 星は、居場所を見失う…


今日の撮影は、大学キャンパスのシーン…



一応…大学ドタバタBLコメディで攻めるドラマらしい――…



「大学か――――――…」


撮影まで時間があるから、俺はキャンパスを散歩した…



ヤ太郎は…来年大学を受験するって―――――…


言ってたな…石丸――――…






ヤ太郎……
受験…落ちねーかな…




石丸が…喜んで仕事取ってくるぞ――――――――…



俺は、ジーンズのポケットで震えるスマホを取り出した…




「あ…羚…君だ――――…」



撮影しているドラマの原作者の息子さん――――…



彼、しっかり者さんなのに―――…迷子になったらしく…ヘルプのメールが届いた…




目印になるような場所で―…待ち合わせる事にした…


キャンパスに設置されているベンチに座り…大学生になっている――――…



ヤ太郎を想像する―――…




絵になるかも―――――…




ヤ太郎は……ホントにこちらの世界には…未練はないのか?





俺は、真夏の太陽を手のひらで隠し…空を見上げた―――…







「あら?白川ヒロ君だ!
こんにちは。」




振り替えると――――…ドラマの原作者“トキコ”先生が立っていた――――…が…




全身UV対策バッチリで…逆に暑苦しく見えた…



帽子にサングラス…日傘にネックウォーマー…ハンドウォーマー…




「…こ…こんにちは…
先生…暑くないですか…?」









「暑いです――――…」






やっぱり…暑いんだ…


不思議な先生だ――――…



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