星も、パンも
第27章 ナイトは、星に導かれる
俺は―――――…
ミー君の場面…ヤー君の場面…
全てに緊張しながら…見た…
CMに入ると…気が抜けて…
ミー君のうなじに顔を埋め…はぁ〜とため息をつく…
「んっだよ!石丸、第1話は、試写したじゃんか…
そんなに…くっつくな!」
ミー君は、CMの度に体を反転させて俺の様子を見る…
ミー君だって…拳握ったり…肩を上げたり下げたり…
ドラマの流れに…
一喜一憂してるの…知ってるよ?
「なっ…何だよ、その顔!」
お〜…ツンデレ・ミー君…可愛い…
しかし―――――…改めて…
テレビの中の…ミー君は、イキイキとしていたし…
ヤー君だって――――…
やばいくらいに…
存在感が…
「…なぁ…石丸…」
俺の腕にスッポリ収まるミー君が…
テレビから目を離さないまま…
俺に…呟く――――――…
「やっぱり…ヤ太郎は…
スゴいよな…
まだ…ちょい役の1話なのに…
すでにキーマンの雰囲気バンバン感じる…」
画面の中のヤー君は、ミー君の話を聞き流して、鼻で笑う場面――――――…
タイミング、雰囲気…立ち居い――――…
全てが絶妙で――――…
カメラのアングルも…計算されているかの様な…絵になる場面――――――…
なのに…主人公のミー君の邪魔は一切していない…
「なぁ…石丸、ヤ太郎は…天才だよね――――――…
自然と出来ちまうらしいんだ…
脇役なのに…気になる脇役…」
ミー君の言うように…
今回のヤー君は、脇役…
しかも、気になる脇役――…