星も、パンも
第30章 番外編……①
俺は、ミー君をソファに座らせ…
指の応急処置をした―――…
「…どうしたの…ミー君…
料理…したこと無いのに…」
うつ向くミー君の、指をそっと包み―――――…
顔を覗きこむ―――――…
「…石丸…―――…
疲れて帰ってくると思ったんだ…
だから…
夕飯ぐらいは―――…俺が…」
うつむきながら…
俺から目線を外し――――…
気まずそうに……
呟く…ミー君――――…
「…え…?俺のため?」
ドキンっ!と…
ミー君の不器用さが胸にグッときた―――――――…
「…俺―――――…
石丸に何もしてやれない…から…
俺のワガママで――――…石丸を振り回してるから…
それに…
いまだに子供扱い―――…
そりゃぁ…石丸にしたら…ガキかもしれないけど――…
俺…来月――…19だ!…
アメリカじゃぁ…16で大人なんだぜ!
俺だって!立派な…大人だ!」
「ミー君――――…」
「ほら…その…“ミー君”って呼び方も…
子供扱いしてんだろ――」
ミー君は、睨みながら…顔を赤くしている…
まったく……2ヶ月前は、余裕がなくて―――――…
そんな事…
気にも止めなかった癖に…
世界が広がって……
自分が見えて来たのか――…
可愛い駄々をこねる…
でも―――――――――…
ミー君は…もう…
19――――…大人だ…