シアワセ
第1章 始まりと終わり
「…辛くなんて……ないですよ」
「……ふっ」
私が笑って、頬におかれた手に自分の手を重ねると彼はまた困ったように笑った
「そうかい」
そういうと、彼は頬にあてた手を離して
ワインを飲み始める
そして他愛ない話をして、たまに抱き締められ頭を撫でられる
ただ、それだけの時間。
演技なんてしなくていい
セックスなんてしなくていい
抱かれなくていい
そんな時間。
少しだけ
ほんの少し
ほっとしている自分がいた
抱かれたくないならこの店は表に出されない
それでも
私は表に出て抱かれる
生きてくために
家族を…守るために
そうやって、生きてきたんだ
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