シアワセ
第2章 悲しい娘 喜一side
「………ふぅ」
俺はため息をついて、また同じ道を歩く
なんも変わらない
なんの刺激もない
ただ同じ繰り返しの日々
いつから自分はこんなつまらない人間になったのだろう
「……ここ…」
気がつくとあるお店の裏に来ていた
どこだ?
ガラッ
そのとき上の方で窓が開く音がした
驚いて上を見上げるとベランダのような場所に立つ、派手なドレスをきた女が立っていた
キャバクラか?
そう思い立ち去ろうとしたとき
「……っ」
彼女の頬が街灯に反射して光った。
はっきりと見えた顔は美しかったが
頬には確かに涙が見えた。
「……」
思わずみとれてしまった。
「………っ」
彼女は涙をぬぐうと前をみすえて大きく深呼吸をしている。
「清華ぁー?」
そんな声が店から聞こえた
「……はい!いまいきます!」
そう答えると彼女は店に戻っていった
「………なんだったんだ」
何故泣いていたのかなんてしるよしもないし
知る必要もない。
なのに何故
こんなに胸が
しめつけられるほど痛いのだろうか。