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この小説の題名の“彼女”こと《湊 美波（みなと みな）》
つまり私は、今あるアパートの前で呆然と…茫然と…う～んどっちだろう？あ～そんな事どっちでもいい！立ち尽くしている最中です。
何故って！？
今日から私の新生活が始まるはずだったアパートが半分以上無いんだもん（泣）
焼け落ちてるの！！



不動産屋「すいません。湊さんですか？」


恐縮をさらにまだまだ縮めたような男性が私に声を掛けてきた。


不「本当に申し訳ありませんでした。昨晩の出来事で…」
「私は、どうしたらいいんですか？」
半ば半泣きになりそうになりながらも尋ねると、
不「マンションをご用意しています。」
「私マンションに住めるようなお給料もらってないんですよ。」
不「契約の時に聞いております。あの実はマンションなんですが、中の作りはシェアが出来るようになってるので…」
「あのそれって、他の人と住むって事ですよね？」
不「あのアパートには他に住んでる方達がいらして、その方達とシェアしてもらえれば、こちらとしては…」
「あのもしかして…」
不「男性４人と…」


あ～私はどうしたらいいの？でも私ったら
「構いません私。とにかく荷物早く入れて気持ちの整理したいんです。」
なんて笑顔で不動産屋さんに返事しちゃった！
不「湊さんありがとうございます！
あのこちらの不手際なので、引っ越し代はうちの会社が払わせてもらいます。」


マンションに行ってみると、とってもいいところで近くには商店街があって駅まで徒歩１０分くらいかな。
部屋に入るとびっくりするくらい広くて５つ個室があってトイレも２つ…あとはキッチンも広いし…一番びっくりしたのはベランダだよ。急な雨でも全然濡れないようになってるし、でも風通しいいし…最高！
不「湊さん気にいってくれましたか？」
「はい！」
不「他の…永瀬さんはどうですか？」
一番背が高くて無愛想な人に話しかけると…
「別に俺らはいいですけど、家賃は高いんじゃ？」
あ～私も気になってた。
不「湊さんとなら、５人で水道代や共益費などマンションにかかるもの全て込みで１０万円です。」


私以外の人は、なんだか渋々みたいな感じで納得して契約に同意した。