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「本当に…本当に俺が好き？」


『はい』


「ずっと前から？」


『はい』


「…俺も」


『はい‥‥え？』


「俺も、前から好きだった」


今度は彼女が硬直した。
瞳を丸くさせていたのでそっと頬に触れてみると我に返って、そうかと思えば俺を見詰めて‥


「ずっとずっと、君だけ見てたんだよ…？」


今度は俺から。ゆっくり縮めた距離が息がかかりそうなくらいに近くなるとそっと口づけを送る。


「先輩が好きなのかと思ってた」


『伊丹さん…？』


「うん。違ったんだ？」


『何ていうか‥‥伊丹さんは尊敬できる先輩ではあるけれど、そういうのとしてはちょっと…』


「それ、先輩が聞いたら怒るだろうなぁー。それで俺に八つ当たりしそう」


あわあわと焦っている彼女は何だか新鮮で可愛らしくて、俺は思わずまた唇を奪っていた。

自分からしてきたときとは違い、俺にしがみついて離れない彼女。
体勢を崩して彼女との距離を縮めると肩で息をしている彼女の唇に指先で触れた。


「可愛い‥そんな顔するんだね」


カッと赤面させた彼女は目線を反らすけど、顔まで背けさせるのは俺が許さなかった。
唇をなぞっていた指先を顎に持っていくとクイッと持ち上げた。


「ずっと我慢してたんだ‥もう、遠慮しないからね」


彼女の鼓動が伝わってくるみたいに俺の心臓も高鳴って、それから彼女に口づける。
触れるだけじゃない、噛みつくような熱い口づけは暫く続いた‥‥。