君の隣の相棒さん、
第28章 眠れる王子様(伊)
大きな山を抱えている捜査一課。
山を追い始めてから二日が経つが、これと言った収穫はない。
時々仮眠を取る程度で基本的に皆寝ずに張り込みを続けていた。
『なかなか動きませんね』
車中、隣で彼奴が呟く。
確かに目立った動きがないのは気になる。
だが今はそんなことよりも、眠い。
『伊丹さん‥?』
「ん、あぁ…」
『起こしますから、寝ていて下さい』
いつもなら一度くらいは拒んでいた彼奴の提案も、今の俺にはありがたいもので悪いな、と一言いうと深く腰かけ脚を伸ばし寝に入る。
────とは言ったものの、いざとなると眠れないのが人間の体質というもの。
ましてや彼奴と二人きりの車中で意識しないはずもなく、うっすらと開いた瞼の間から、暫くは彼奴の様子を見ていた。
暫く見ているうち、とある考えを思いついた。
バレないよう寝直すフリをして彼奴の方へと頭をゆっくり倒してみる。
やがて狙った通りに彼奴の頭に俺の頭が寄りかかると、少しだけ此方に頭を傾けた。
山を追い始めてから二日が経つが、これと言った収穫はない。
時々仮眠を取る程度で基本的に皆寝ずに張り込みを続けていた。
『なかなか動きませんね』
車中、隣で彼奴が呟く。
確かに目立った動きがないのは気になる。
だが今はそんなことよりも、眠い。
『伊丹さん‥?』
「ん、あぁ…」
『起こしますから、寝ていて下さい』
いつもなら一度くらいは拒んでいた彼奴の提案も、今の俺にはありがたいもので悪いな、と一言いうと深く腰かけ脚を伸ばし寝に入る。
────とは言ったものの、いざとなると眠れないのが人間の体質というもの。
ましてや彼奴と二人きりの車中で意識しないはずもなく、うっすらと開いた瞼の間から、暫くは彼奴の様子を見ていた。
暫く見ているうち、とある考えを思いついた。
バレないよう寝直すフリをして彼奴の方へと頭をゆっくり倒してみる。
やがて狙った通りに彼奴の頭に俺の頭が寄りかかると、少しだけ此方に頭を傾けた。