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君の隣の相棒さん、

第29章 眼鏡を外した貴公子は(大)

その日は何らいつもと変わらない日‥‥‥‥のはずでした。

毎日の様に針積めた空間を変えてくれたのは、私の愛する人だったのです。


『失礼致し…っ』


資料の束を持って監察官室へ戻った私は珍しい、それはそれはレアな場面に居合わせたのです。


『主席‥‥?』


そっと近付いて大河内さんのその姿を見れば、彼は眠っていました。
ディスクに肘をつけて眼鏡を外し、少し楽な体勢。



‥‥‥‥それにしても彼のこんな姿、誰にも見せられない。というか見せたくない。

そう思ったら自然と監察官室に鍵をかけていました。


それから私は大河内さんの近くにあった資料の束を手に取ると、近くのディスクで資料に目を通し始めます。

資料に目を通し始めてから暫く、全く起きる気配のない大河内さん。
そんな彼を時々見ながらも、私は資料に集中していました。

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