君の隣の相棒さん、
第32章 溜め息のその先は、(伊)
夜。仕事を終えた俺たちは芹沢と三浦さん、俺と彼奴の四人で飲みに行っていた。
飲み始めて暫く、トイレに行ったまま帰って来ない彼奴を探しに行くと、トイレ奥、廊下の隅っこにある椅子に座って下を向いている彼奴を見つけた。
「こんな所にいたのか」
『ぁ、伊丹さん‥‥』
「んぁ?お前、泣いてんのか…?」
はっ、としてまた下を向くとスーツで涙を拭こうとしていた彼奴にハンカチを渡してやる。
それから隣に腰掛ければ彼奴は少しだけ顔を上げて、ハンカチを握り締めたまま話し始めた。
『フラれたんです。彼氏に』
「は?彼氏?」
彼奴に男がいたとは今まで気付かなかった。
彼奴は男を全く匂わせない体質なのか、はたまた俺が鈍感なだけなのか…。
とにもかくにも、実は俺もついこの間女にフラれたばかりで何だか機嫌が悪かったためか、彼奴が泣きたくなる気持ちが分かる気がしていた。
飲み始めて暫く、トイレに行ったまま帰って来ない彼奴を探しに行くと、トイレ奥、廊下の隅っこにある椅子に座って下を向いている彼奴を見つけた。
「こんな所にいたのか」
『ぁ、伊丹さん‥‥』
「んぁ?お前、泣いてんのか…?」
はっ、としてまた下を向くとスーツで涙を拭こうとしていた彼奴にハンカチを渡してやる。
それから隣に腰掛ければ彼奴は少しだけ顔を上げて、ハンカチを握り締めたまま話し始めた。
『フラれたんです。彼氏に』
「は?彼氏?」
彼奴に男がいたとは今まで気付かなかった。
彼奴は男を全く匂わせない体質なのか、はたまた俺が鈍感なだけなのか…。
とにもかくにも、実は俺もついこの間女にフラれたばかりで何だか機嫌が悪かったためか、彼奴が泣きたくなる気持ちが分かる気がしていた。