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「‥んで、どうしたって？」


『フラれるのは別にいいんです。予感はしてたんで…でも、理由が理由で、納得いかなくて』


「理由？他に好きなヤツが出来たって言うんじゃねーのか…？」



頷く彼奴。

好きな女が出来た、という訳じゃないなら他にどんな理由がある？


────と、一瞬考えた脳裏にあることが過る。
もし、これが当たっているとしたら…
そう考えるよりも先に、言葉が出ていた。



「なあ、そいつまさか‥‥男が好きとか言わなかったか？」



バッ、と顔を上げて俺を見る彼奴の顔は何故分かるのか。というような顔をしていた。

その彼奴のリアクションで俺は確信する。
彼奴も、俺と同じフラれた方をしたのだと‥‥。



「その顔じゃ、図星みてーだな‥‥俺もだよ」


『え‥‥‥？伊丹さんもって‥ぇえっ！？』


「声がデカイ！‥‥俺もついこの間な、お前みたいにフラれたんだ。女が好きだとよ、訳分からないだろう？」



だったら何で今まで男となんか付き合ってたんだ、と愚痴を溢す様にボヤくと彼奴は頷いて同感してくれる。

それと同時に、俺たちは二人して溜め息をついていた。