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君の隣の相棒さん、

第32章 溜め息のその先は、(伊)

「何なんだろうな‥」


『何なんでしょうね‥』



同じことを呟けば互いに顔を見合わせて、それからは急に吹き出して笑っていた。



「あーったく、腹痛ってえーっ」


『私もですっ、ふふっ』



何だか分からないが彼奴と笑ったその瞬間、一気に心のモヤモヤが晴れていた。

清々しく、それでいてまた別の気持ちが割り込んでくる。


────そうか、これが“好き”って気持ちか…。


そう思った次の瞬間には、そうやって気付いた自分の感情を誤魔化すために彼奴の髪を乱暴に撫でていた。






(溜め息のその先は)
(新たな恋の始まる予感と、甘い溜め息)


(さて、戻るか)
(はいっ)



END

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