君の隣の相棒さん、
第41章 覚めない夢、(大)
「み‥なと…」
まただ。また彼を呼んでいる。
これで何回目だろう…。あの人の中にいる、“湊”という人物。
寝ている時にあの人からいつも聞くその名前は私の胸を締め付ける。
なんとなく、その人が“女性”ではないことが分かって、そんな自分が嫌になる。
そう。いつも、いつも…。
『っ‥‥』
そんなことを考える度に苦しくなっては監察官室を飛び出して、また私は独りになる。
あの人が起きる前には戻り、そしてまたいつもの私になる。
そうやって私は、あの人の中の彼に絶えてきた。
『ぅ‥‥ぁっ‥‥うぅ…っ』
誰もいない場所。涙が止まらない。
静寂に私の行き場のない悲しみだけが響いている。
何故いつも泣いてしまうのか、何故いつも苦しくなるのか。
その答えは、私があの人を愛してしまったことにあると自覚している。