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「何か先輩に言われると、本当にそんな気がするな‥」


「そう？‥‥じゃあ、名前で呼んでみたら？俺のこと。そしたらもっと色っぽいと思うんだけど…ほら、声って変えることなかなか出来ないだろう？だから、」


普段俺なら絶対に口にしないような言葉が、気付いたら出ていた。
これも彼といるからなのだろうか…。


「───慶二さん」


彼から発せられた俺の名前は、とてつもなく“大人の男”というものを感じさせるようだった。


予想以上に女を感じさせられた俺は気付けば彼に手が伸びて、腰から抱き寄せていた。


「凄いな、」


「慶二さんの名前がいい名前だからですよ」


彼は卑怯だ。
そういう悪戯な顔をするとき、俺が勝てないことを知っているのかいつもそんなことをいう。


本当に卑怯だよ、君は…。