君の隣の相棒さん、
第4章 煙草が示す気持ち(伊)
彼奴は煙草が嫌いだ。
そんな彼奴は、俺はいいのだと言っていた。
矛盾している───だが彼奴はこうも言った。
“先輩の匂いは、嫌いじゃないんで”
矛盾の中に感じた淡いものに気付くのには、そう時間はかからなかった。
───あれ以来、ずっとその言葉が気になっていた俺はとある昼休み、彼奴にそれとなく聞いてみた。
突然切り出された本題に、彼奴は苦悶の表情を浮かべた後で小さく俺に笑いかけた。
『同情、しないで下さいね。それと、独り言なんで』
頷く俺に、彼奴は何処か遠くを見詰めながら話始めた。
そんな彼奴は、俺はいいのだと言っていた。
矛盾している───だが彼奴はこうも言った。
“先輩の匂いは、嫌いじゃないんで”
矛盾の中に感じた淡いものに気付くのには、そう時間はかからなかった。
───あれ以来、ずっとその言葉が気になっていた俺はとある昼休み、彼奴にそれとなく聞いてみた。
突然切り出された本題に、彼奴は苦悶の表情を浮かべた後で小さく俺に笑いかけた。
『同情、しないで下さいね。それと、独り言なんで』
頷く俺に、彼奴は何処か遠くを見詰めながら話始めた。