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君の隣の相棒さん、

第14章 真実を知る者(L※)

「あの…ありがとう御座います、先輩」


「おう‥」


優しく微笑みかけてくれた伊丹先輩からは、いつしか思わず身構えてしまうようなあの感覚は感じなくなっていた。


「実はよ‥、最初にお前が一課に来たときから気付いてたんだ」


「‥‥そうでしたか」


「男として見るのにだいぶ手間取った‥」


僕のことで伊丹先輩まで困っていたんだと気付くと、僕はとても申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


「その‥なんだ…、お前はお前のままでいたらいいと思うぞ」


僕は驚いた。
そんなことを言われたのは初めてだったから。


だから僕は伊丹先輩に言ったんだ。



───“ありがとう”って。





(真実を知る者)
(僕の存在が複雑に感じられた瞬間、)



…続く

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