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君の隣の相棒さん、

第19章 真似っこ(伊)

潜入捜査で朔と同じ範囲を担当することになった俺。
このだだっ広い学校には他にも、芹沢や特命の奴らもいる。
合同捜査というやつだ。


昼休み。生徒たちと話している朔を見付けた俺は、中間報告を聞き出すために近付いた。


「朔」


『あ、伊丹さっ‥先生。何か?』


生徒がいて話し難い。
屋上まで招くと、早速中間報告を聞き出す。


「で、どうだそっちは」


『特に変わったことは何も』


「ん、そうか」


と、その時だった。
朔がじーっと俺を見ている。
ギョッとして朔を見返せば、彼奴は不思議そうに俺を見ていた。


『伊丹さん‥眼鏡どうしたんですか?』


「え‥ああこれか。一応刑事だからな、顔バレ防止用にな」


成る程。と言って納得している様子の朔は、自身のかけている眼鏡を指先で直した。

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