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恋してキスして抱きしめて

第2章 待て、なぜ俺に頼む?

って聞きながら


そういや夕方の電話で、恋愛相談がどうとかって、意味不明な事を言ってたのを思い出す。


つーか、元々こいつから相談なんて受けたことねーし、ましてや恋愛話なんてしたこともねぇ。


むしろ学生時代の俺は、夏輝はゲイだと思っていた。


コワモテな割に浮いた話はねぇし、女の気配なんてまるで無かったんだ。



「まさか、旅人のくせに結婚するとか~?」

「……いや、相談したいのは俺の話じゃない」



さっきまでの笑顔を消して、夏輝は煙草を灰皿に潰した。



「じゃあ誰の話?」

「いもうと」

「………は?」

「俺の妹」



………なんだって?


急に飛び出してきたその存在を聞いて、思わず夏輝を二度見。



「お前、妹なんていたっけか?」

「あぁ、1人だけな」

「ふーん。で、その妹がどうしたって?」

「ユーリに頼みがあるんだ」



夏樹は、今まで見たことの無い大真面目な顔をして、ピシッと背筋を伸ばした。



「妹の、恋愛教育をしてほしい」


「…………!」


「ただし、絶対に手を出すな。

指1本でも触れてみろ。

その瞬間、俺はお前を抹殺する」

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