テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第9章 あの、立場逆転してませんか?

『……ユーリさん……』



その声で、ハッと我に返る。


大勢の通行人が目の前を行き交う……って、俺またフリーズしてたし~~


ほんと終わってるわ……




『……あ、あたしも……!』

「…………!」

『あたしも、ユーリさんに逢いたいです……!』



さっきとは違う、しっかりした声。


………なんかもう、今は千夏が何を言っても胸が熱くなる気がする。


冷静に戻るタイミング、完全に逃した。




『ユーリさん、今どこですか?』

「……会社の近くだけど……
ちーちゃんは家でしょ?」

『はい! すぐに出れます!』



え? 出る?


腕時計の針は11時半になろうとしている。


いやいや、ダメでしょ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ