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恋してキスして抱きしめて

第11章 だって、もう止まらないの

………恋愛小説で得た、初体験に関する知識


どんな物語にも、初めてを捧げる女の子の気持ちが、活字で丁寧に綴られていたけど


………自分がその状況下に置かれた今、分かった。


いくら詳しくても、全くもって役立たないということ


想像なんて遥かに超えた、別世界だということ




ユーリさんが “ 千夏 ” と呼んだ瞬間から


何かが弾け飛んで、あたしはまるで別人になったように


覆いかぶさるユーリさんの背中に手を回した。



「……なにこの肌。
指に吸いつくんだけど」



シフォンのワンピースも、下着も全て脱がされて


あたしの右胸を包み込むユーリさんが、溜息を漏らす。


心臓のドキドキが、ユーリさんの手に伝わっていく。



「……っ…あ……っ」

「柔らけー」

「……っ…ユ、ユーリさん…」

「んー?」



唇から首筋へ、首筋から胸へ……


丁寧に落とされるユーリさんのキスが、堪らなく心地良い。


だけど、あたしの体は止めどなく彼を求める。



「もっと……し、て……」


「………!」


「もっと、もっと……

強く、してください……」

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