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恋してキスして抱きしめて

第14章 友人の言葉

……陽菜ちゃんがあたしの方に体を向けたので、持っていたパンをテーブルの上に置いた。



「……見た瞬間に、分かっちゃった……」

「何を見たの?」

「……ユーリさんの……っ」

「いいよ、ゆっくりで」



陽菜ちゃんが、膝の上に置いたあたしの手をぎゅっと握る。



「私がちょうど正門に着いたとき、千夏逆走してきたよね?
バイバイした後だったのに、もう一度逢いたくなったとか言って」

「……うん……」

「で、駅と反対の方向に歩く彼の後ろ姿が見えて、追いかけた……ここまで合ってる?」



コクリと頷くと、陽菜ちゃんは笑顔でよしよしと言った。


……陽菜ちゃんがいてくれてよかった。


あたしは深呼吸をしてから、さっき見た光景をゆっくりと話し始めた。



「……仕事が始まるまで時間があるって言ってたから、カフェに行くんだと思ったの。

そしたら、その手前の道で……」

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