テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第14章 友人の言葉

そんな偶然さすがに無いよね~と言って、鼻の頭を擦りながら微笑む陽菜ちゃん。


そういえば……その水泳の先生はあたし達と同じ学部の卒業生で


陽菜ちゃんは先生の影響で、この大学に入学しようと決めたって、前に聞いたことがあったっけ。


あたしもお兄ちゃんに憧れて入学したようなものだから、似たような理由なんだなぁ……


……あ


確かお兄ちゃんのお友達にも、カリスマ的な存在感を放つ……



「陽菜ちゃん、その先生のお名前って……」

「ごめんごめん、話逸れちゃったね!」



陽菜ちゃんは大きな声でそう言うと、もう一度私を真っ直ぐ見つめた。



「とにかくさっ、今は千夏が彼女なんだから。
彼の言葉を信じることが、何よりも大事だよ」

「……ユーリさんの言葉……」

「そう、千夏に伝えてくれた言葉……きっとあるでしょ?
思い出してみて?」



陽菜ちゃんが自分の胸に手をあてて、目を瞑ったので


あたしもその格好の真似をして、ユーリさんを思い浮かべてみる。



……あぁ、そうだ……

ストーリーメニュー

TOPTOPへ