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恋してキスして抱きしめて

第3章 つまり、脅しじゃねーか!

いつもはユーリと気軽に呼ぶのに、わざわざ名字に言い変えた主任。


突進するようにやってきたその後ろから、同じように汗を掻いた部長が姿を現した。


舞ちゃんはピシっと背筋を伸ばし、その他の同僚達も含め一瞬で空気が変わる。



「浜崎、お前……」



………ゲッ!!


さっきのハンコ押すだけ係ってくだり、聞かれちまってたか?


肩で息をして、真っ赤な顔をした主任の前に立つ。



「もちろん大事な書類には、部長の印は絶対的に必要でありまして……」

「お前、何を仕出かしたんだ!」



……え?

何をってなにが?


主任も部長も、怒ってるわけでは無さそうだけど、明らかに動揺している。


でも、確実に言えるのは


……お褒めの言葉なんて、イイ話じゃねぇってことだ。



「……僕、何かしたんですか?」

「俺が聞いてるんだよ!」

「まぁまぁ、落ち着きなさい」



興奮する主任を宥めるように、部長が一歩前に出た。

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