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恋してキスして抱きしめて

第15章 あたしだけを、見て

周りの奴らが呆れるほどの、俺と朱莉の大恋愛は


大学を卒業し、就職してからも変わらずに続くと思っていた。


当時、朱莉への愛情は1ミリだって減っていなかったけど


会社に生き残る為にがむしゃらだった俺は………


その想いと行動が、伴っていなかった。




* * *




『朱莉は、結婚式を挙げなかったらしい。
お祝いなんかも、全部拒否』



ジャズバンドの生演奏が、盛り上がりを見せる中


カウンターに座る俺とヒメの間だけ、静かな空気が漂っている。



『大学時代の朱莉の友人は、全てお前に繋がってるから。
今となっては、誰とも連絡取ってないぜ』

『…………』

『俺なんて着信拒否ときたもんだ』



いつものクールな表情に戻しつつも、ヒメは笑った。



『特に俺はお前に近い存在だから、余計だろうな。

友達1000人いるユーリくん

せめて、ベスト10くらいには入れてくれてんだろ?』

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