テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第19章 本当の、サヨナラ


………俺って、ほんとアホ。



途中から、朱莉って呼び捨てにしちまってたし


好きでしたって、普通に言っちまったし


鈍そうでお人好しそうなあの旦那だって、さすがに気付いただろう。



………それでも




“ ……少しだけ
朱莉と話してやってくれませんか ”




「……いい人じゃん」


「…………!」


「最初に現れた時、想像と180℃ズレててひっくり返りそうになったけど

たった10分話しただけで……朱莉があの人を選んだ理由が分かった気がするよ」


「…………っ」


「……心配させんな。

この先も、ずっと寄り添って生きていく

たった1人のパートナーだろ?」




………走り出す前に、俺に向かって深々と頭を下げた旦那。


色々と、言いたいこともあっただろうけど


全てを理解し、ふっきれたように


朱莉の旦那は、最後は満面の笑みを浮かべた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ