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恋してキスして抱きしめて

第19章 本当の、サヨナラ

膝を地面につけたまま


俺はその小さな体を抱きしめた。


雨に濡れて冷えた体から、ドクドクと早い鼓動が伝わってくる。




「……ユーリさん……」




千夏は俺の肩に顔を埋めて


消えそうな声を絞り出した。




「……朱莉さんの、傍にいてあげてください……」


「…………!!」




………なん……だって……?




「これからは、朱莉さんに優しくしてあげてください………」


「…………っ」


「ユーリさんは、本当はもっと優しいから

朱莉さんに、冷たくしないでほしいんです」


「……ち……」


「怖い顔しないで、心から笑ってあげてほしいんです………」




ドクン……ドクン……



心臓の鼓動は聞こえるけど、一瞬、頭が真っ白になった。


だけど


俺はすぐに千夏の両腕を掴んで、体を離した。

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