恋してキスして抱きしめて
第21章 全力で、取り戻せ
「……………!!」
俺の声で、ガバッと体を起こしたユーリだったけど
「……んだよ、こっちか……」
明らかに残念そうな溜息を漏らして、鳴り止んだ携帯を睨んだ。
ベッドサイドの置時計に目線を移すと、既に夕方の4時を過ぎている。
……ユーリと一緒にBARから俺のマンションに帰って来た時、空は明るくなっていたけど
俺達は10時間近くも寝ていたってことだ。
「それ、会社携帯?」
夜通し飲み続けていた酒が、体の至る所に害を及ぼしていて
俺はそう聞きながら立ち上がって、キッチンへと向かう。
「あぁ。……って
やべー、あのデータ送り忘れてた……」
「あ?なに?」
「上司から会社に呼び出し」