恋してキスして抱きしめて
第21章 全力で、取り戻せ
「ふざけんな!
朱莉とは別れたけど、千夏とは終わってねぇ!!」
瞬時に反応したユーリが、すげー勢いで起き上がる。
あ、今俺無意識で喋っちまってたか。
「悪い悪い。
無邪気なお前とオールしたせいで、俺まで心の声が出て……」
「だいたいなんでそのことをヒメが知ってんだよ!」
「お前がベラベラ喋ってきたんだろ。
泣きながら」
「泣いてねぇ!」
「言葉を詰まらす場面が、何度もあったじゃねぇか。
花火を見た夜と、初めてSEXした日」
「…………!」
「……そして、1週間前。
雨の中、走り去る彼女を追えずに、立ち尽くす……」
「~~~もういい!黙れ!!」
ユーリは崩れた髪をさらにワシャワシャと掻きむしって、そのまま顔をベッドに突っ伏した。
………恥ずかしいらしい。
つーか、あんなに飲んだっつーのに元気だな。
恋愛に悩むピュアな男を見てるから、こっちまでその切なさが伝わってきて
ベッドの前にあるソファに座り、俺は溜息をついた。