恋してキスして抱きしめて
第22章 青春フルスロットル
* * *
「遅い」
「~~~~!!」
「営業職が遅刻なんて、基本がなってねぇな。
初心に戻って、根性入れ直せ」
………野外ステージ舞台裏。
委員長とアメフト部に放り投げられる形で、地面に落とされた俺の前に
腕を組んだ黒髪の男が、そう言い放って立ち塞がった。
「~~~蓮!!」
体を起こして、奴の名を叫ぶ。
久しぶりに会ったそいつは、涼しい顔をして俺を見下ろしていた。
「久しぶり、ユーリ」
「何が久しぶりだ!
てめぇ一体どーいうつもり……って、なんだよその格好!」
顔を上げると同時に、その姿を見た俺はギョッとしてフリーズ。
高そうなストライプのシャツの上に、羽織られた祭りのハッピ。
蓮の周りを取り囲む学生達が、同じ形の赤い色を着ているけど………