恋してキスして抱きしめて
第23章 もう一度、あの場所から
………包まれた腕の中で
震える体をゆっくりと回して、上を見上げると
すぐ近くにある街灯に照らされた、ユーリさんの笑顔が飛び込んできた。
「……ユーリさ……」
「泣かないで」
「………っ」
「色んな意味で、泣きたいのは俺の方だから」
苦笑するユーリさんの指が、あたしの頬の涙を拭う。
そして
もう片方の手で、あたしの背中はさらに強く引き寄せられて
「……聞いてくれてた、よね?」
「…………!」
消えそうな声でそう言った後、ユーリさんがあたしの肩に顔を埋めた。
し、心臓破裂しちゃう……!///
密着した体から、彼の早い鼓動が伝わってくる。
「……き、聞かせていただきました……!」
「全部?」
「……は、はい!!」
「届いた?」
「えっ!?」
「……俺の想い
ちーちゃんの心に、ちゃんと届いた?」