恋してキスして抱きしめて
第23章 もう一度、あの場所から
「仰せのままに、お姫様」
ゾクゾクしてしまう、色気のある声。
ユーリさんの指が、あたしの顎を持ち上げて
さらに近付いてくる気配を感じながら、そっと瞳を閉じる。
「…………っ///」
ドキドキが、最高潮で
ユーリさんの前髪が、あたしの顔に触れた………
次の瞬間
「はい、ストップ」
突然
あたしの体は、ごつごつした腕によって後ろに引っ張られた。
「盛り上がってるところ悪いが
俺の存在、忘れないでもらえますか」
馴染みのある、低い声。
びっくりして目を開けると
………あたし以上に
目の前で、ユーリさんは驚いた顔をしていた。
「………夏輝………!」