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恋してキスして抱きしめて

第5章 いきなり、任務終了?

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大学を出て、駅とは反対の方向へ5分程歩くと


当時と同じ、ログハウス調の小さなカフェが見えてきた。


これだけ暑いから、流石にテラス席には1人も座ってなくて


昼飯の時間が過ぎたので、ちょうど空いた店内の1番奥の席へと案内された。



「俺、アイスコーヒー。
ちーちゃんは?」

「あ、え、えっと………」



無垢のテーブルの上でメニューを広げ、大きな目を瞬きさせながら必死に選んでいるご様子。


たかが飲み物ひとつ、そんなに悩まなくてもよくね~?



「あ、じゃあ……アイスココアで……」

「…………!」



注文を受けた店員が去っていくと、千夏は顔を上げる。



「………?ユーリさん?」

「………え?」

「どうかしたんですか?」

「いや、なんでも……」



………忘れていた記憶が蘇ってきそうになって


煙草を取り出そうとしたけど、ここが禁煙席だってことに気付く。


だから毎回テラス席に行ってたんだよな……って、結局また思い出してるし。


………どうしようもねぇな。

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