テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第8章 だから、俺も予想外なんだって

「それで?
なんでそんな若い子と出逢ったか知らないけど
まさか本気で惚れたなんて言うんじゃないでしょうね?」

「惚れたらダメなんだよ。
惚れさせてもダメなの」

「はぁ?」

「そーいう係なの」

「かかり?」

「契約条件みたいなモン」



よく考えたらさ~


一定の距離を保ちながら、恋愛の楽しさを教えるって、どうやりゃいいの?


適当にするわけにもいかねーし、だからといって振り向かせる為にアタックするのも違うだろ?


1週間前には、余裕だと思っていたのに


常務にドヤ顔しておきながら、今更悩むってどうなってんの~~。



「あーもう、意味わかんない。
その話、終わりにしてくれない?」



バーテンダーが別の客の方へ行ったのを見て


スミレは俺の肩に頭を乗せた。


巻かれた栗色の髪が、俺の頬にあたる。



「ねぇ、このBARの下。
オフィスと飲食店の他に、何があるか知ってる?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ