テキストサイズ

仮彼氏。

第5章 泊まり。


「リビングの方は非常灯がついていて明るいので、二人とも来てください

お食事もご用意してありますし」

「あぁ、分かった…」

真っ暗で何も見えないけど、銀の温もりを近くに感じる

お互い手探りで手を繋ぎ、ゆっくり立ち上がった


「では、行きますよ」

「は、はい…」

銀と一緒に歩き出す
なんかおばけ屋敷に来たみたい…


「足元、お気をつけて」

「ふぎゃっ!」

「千晴!?」

高木さんがライトで照らしてくれたのに、思いっきり段差につまづいてしまった


「大丈夫ですか!?」

「だ、大丈夫です…」

「…あほか」

暗くても、銀が私を白い目で見てるのが分かる
自分のばか!


「もうすぐですからね」

「…ったく広すぎなんだよ」

銀が溜め息を吐くのも頷ける
ほんと、広すぎ…


ストーリーメニュー

TOPTOPへ