仮彼氏。
第7章 千晴。
「まぁそれは今いいや…倉内、とりあえず一発殴らせて」
黒田の言葉に、向島が俺を離した
「お願いします…!」
黒田の方に体を向け、歯を食い縛る
まぁ一応女子だしそこまででは……
ドスッ
「っ…!」
…なんて、俺は甘すぎた
「いって…!!え?…はぁ!!?」
頬が痺れて涙が滲む
痛みが理解できなくて、軽くパニックになった
「ふっふっふっ…
実はキックボクシングやってたの♪」
「なんだよその設定…」
無駄な新事実に溜め息を吐く
早く言えよ…
「じゃ、行きますか!」
「待てよ、まだ痛みが…」
多分赤くなってるだろうし、保健室行きたいくらいだ
「…あんたが悪いんでしょ
それに、もう授業受けなくていいから」
「へ…?」
授業受けなくていい…?
まさか俺退学!!?
「待て!早まるな黒田…!!」
「は?」
「退学だけは勘弁…」
「あほかっ!」
「ぎゃっ!?」
回し蹴りをまともにくらって思わずその場にしゃがみこむ
「いってー…」
「早退して千晴の家行くの!」
『は…?』