仮彼氏。
第7章 千晴。
思いっきり扉を開けた私は、目の前に広がる光景に目を見開いた
『り、か…』
『千晴っ!!』
床に座り込むずぶ濡れの千晴
バケツを持った不細工な女三人
ここで何が起こったのか、一瞬で分かった
『あんた誰?』
『…千晴、これ着て』
女を無視して、千晴に自分のブレザーを渡す
『無視してんじゃねーよ!』
『っ…』
髪を引っ張られて、無理矢理千晴から離された
『った…なんでこんなことしたのよ!』
『は?分かんないの?
こいつが調子乗って男子振りまくるかっ…』
パチンッ
最後まで聞く前に、女の頬を叩いていた
『っ…何すんのよ!!』
『好きでもない男振って何が悪いわけ?』
『っでもブスのくせに…』
『…ブス?誰のこと言ってんの?』
『だからこいつっ…』
女が千晴を指差した瞬間、大声で叫んでいた
『ブスはてめーだブス!!!』