仮彼氏。
第9章 ピンチ。
「ど、どういうことだよ…?」
駄目だ、混乱してる
黒田の考えてることも『代わり』も『さくら』も、全部わけ分かんね…
「…さくらっていうのはね、先輩の妹の名前だった」
「…!!」
それって…
「私は、妹の代わりだったの」
「っ…」
黒田は素っ気なく言っているけど、とても傷付いた顔をしていた
そんな黒田を見て、胸が痛む
「…だから、もう嫌なの
誰かの代わりとして愛されるんじゃなくて、私を愛してほしい」
「黒田…」
そっと頬を撫でると、黒田は一瞬肩を揺らした
でもすぐに顔を上げて、儚げに微笑んだ