仮彼氏。
第1章 疲れた。
ビクビクッと震え、その瞬間を迎えた
「はぁっ、はぁ…」
「派手にイッたな」
「っ…//」
ぼんやりとした意識の中で向島を見つめると、頭を撫でられた
「…怖い?」
「……」
怖くないって言ったら、嘘になる
でも…
「怖いけど…
契約、なんでしょ…?」
「契約っつっても無理矢理犯す気はねーよ」
「っ…」
ドSなんだか優しいんだか分からない
向島は、ずるい。
「…ぃ」
「ん?」
「いいって言ってんの!//」
開き直って叫ぶと、向島がクスッと笑ってベルトを外した
やけに色っぽいその仕草に、不覚にもドキッとする
「…挿れるぞ?」
「うん…」
どこから出したのか手早くゴムを着け、向島のが入り口に触れた
瞬間伝わる熱に、体が強張る
「力抜いて?」
「そんなこと言われてもっ…」
体が言うことを聞かない
固まる私に向島が溜め息を吐いた
「…目瞑れ」
「…へ?」
「いいから」
よく分からないまま、言われた通り目を瞑った
「…んっ!?」
唇に触れるもう一つの熱
反射的に目を開けて、向島にキスされているとようやく気付く
「んぅっ…」
唇をこじ開け私の口内を犯す向島の舌
「ふぁっ…んんっ…!」
歯列を舌でなぞられ、背筋がぞくぞくする
チュッ
最後に舌を吸われ、長いキスから解放された
「いたっ…!」
途端に感じる激痛
「ちょ、お前締め付けんなっ…」
向島が顔を歪める
結合部を見ると、もう半分くらい入っていた
「…あとちょっとだから、な?」
「う、んっ…」
また向島のキスが降ってくる
キスに意識を奪われている間はあまり痛みを感じなくて、これが向島なりの優しさだと気付いた