仮彼氏。
第12章 センセイ。
「あ、ありがとうございますっ…!!」
これまでの人生でたぶん一番深いお辞儀をした俺に、千晴のお父さんが口を開いた
「…ただし、いくつか条件がある」
条件…?
「まず、大学に進学すること
結婚は、大学を卒業してからな」
まぁ、それはしょうがないか…
「次に、自分の夢を一番に考えること」
「…え?」
俺の、夢…?
「長男だから会社を継ぐとか、そういう義務は無いってことさ
鉄也と香穂ちゃん…ご両親とも話し合ったことだから安心してくれ」
本当に、なんて良い人なんだろうか
夢か…今度考えてみよう
「そして…
千晴と一緒に幸せになること」