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仮彼氏。

第2章 おかしい。




―翌日―



「千晴様ー!」

「わっ…!!」

教室に入るなり誰かに抱きつかれた


「おはようございますっ♪」

「…おはよ、梨佳」

抱きついてきたのは、同じクラスの黒田梨佳

背の低いテンション高めの女子だ


「実は、千晴様にお話が…」

なぜか私を様付けで呼ぶ梨佳


「…なに?」

「向島銀とどういう関係ですか?」

「…………え!?」


なに、もう情報出回ってんの!?


「昨日向島銀が千晴様のマンションに入っていくのを見かけたので…」

「あ…」

そういうことか…


「…で、どういう関係?」

普段のキャラに戻る梨佳

時々気まぐれで口調や呼び名を変えるのが、私の親友黒田梨佳だ


「………彼氏」

「え!!?」

私の言葉に梨佳が目を見開く


「つ、付き合ってるの!?男子振りまくってた千晴が!?」

「はぁ…」

これ、説明した方がいいのかな?



ガラッ


「あー!!」

私の後ろを指さす梨佳

振り向くと、銀が立っていた


「…何」

眉間に軽くしわを寄せる銀

いきなり指さされたらそりゃ機嫌悪くなるよね…


「向島って、千晴と付き合ってるの!!?」

梨佳が銀に話しかけると、教室中の視線が私たちに向けられた


「ち、ちょっと梨佳…!?」

声大きすぎるって…

銀が無言で私に視線を移す
その視線に答えるように、私は小さく頷いた


「…あぁ」

銀がそう言うと、教室中が一気にざわめく


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